今回は意外にあまりご依頼頂くことがないのですが、地味だけどボートの走行性能に携わる大事な箇所でしたので紹介させて頂く作業ですが、障害物にヒットし破損したロワーハウジングのスケグの修復修理をご依頼頂きました。
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ギアハウジングのスケグ?
ボート推進時の直進安定性の保持や補助をする役割のロアケース下部の一部分のことをさします。あまりこの部分を取り沙汰されることはないのですが、特にバスボートのように高速滑走する船舶にとって実は重要なボートの走行性能をも左右する役割を果たしています。
ロアケースとスケグを仮付け。
歪が出ないように溶接前の下地作りから垂直に取り付けられるように仮付け溶接します。
本付け
ロワーユニットの内部にはゴム製のシールなど高熱には弱い部品もありかなりギアハウジング側に近い部分でしたので細心の注意での作業です。では、内部を取り除いてから溶接すれば?とお思いかも知れませんが、熱による歪で万が一内部パーツのキャリアが入らないような事態にならないように組んだまま溶接しましたが、もしリークテストを行った後にシール類が破損していたとしても安価なパーツ交換のみで済みますし、溶接時の熱伝導も遮る役割を期待してロアユニット内にはギアオイルも封入されたままにしてあります。スケグの先っちょのみの補修だけならそんなシビアに考えることはないのですが..
溶接完了後の処理
通常溶接後は装飾品のような品物以外は溶接痕であるビードを落とすことはあまりないのですが、きれいに処理を行って塗装の下地作りを行いますが、なにアルミの鋳造製品のために多少のピンホールが出てしまいます..これだけ付いていれば強度には影響ないですが。。
圧漏れ検査のリークテスト。
シール類の破損を確認する念のためのギアオイルを排出しエア圧リークテストを行います。漏れがあった場合はその個所をバラシてしてパーツ類の交換をしなければなりませんが幸い一切漏れは確認できませんでしたのでウォーターポンプ内のインペラーとギアオイルも新品に交換です。
ロワーハウジング塗装
パテとサーフェーサーでお肌を整え塗装も完了。
ギアハウジングの取り付け
マーキュリー船外機にギアケースを取り付け完成。
ギアケースの呼び名
以前のブログにも掲載していたはずですが、ギアケースにはいろいろな呼び方をされますwまず、ギアケース、ロアケース、ロワケースに、ギアハウジング、ロワーハウジング、ロワーユニット...どれもすべて同じ意味でどの部分か分かればよいだけなのですがw私的にはロワケースと呼んでいます。・・・ただロワーユニットは内部部品も含めたAssyでの名称なのでケースだけとはちょっと意味違うんでしょうね~?そういえばインペラーのことをエンペラと呼んでる方がおられイカすね~と思いましたが、40も後半になるとこんなくだらないダジャレを平気でほりこんでしまっている自分に驚いてしまいますw
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