バスボート4ストロークエンジンオイルとギアオイルの交換 ギアオイル編

       

スズキ船外機オイルフィルター交換

スズキDF150エンジンオイル&ギアオイルの交換~ギアオイル編~

セルフでのオイル交換

希に当店駐艇内でもご自分で交換されている方を見かけるのですが、詳しい方は別として

そうでない方は実はあまりオススメではありません

作業自体はすごく簡単なので少しでも安価に済まされようとされる気持ちは重々理解できるのですが、

専門的に作業している立場からすると実はこの一番基本的な作業の中にお客様の目には見えない

一連の作業内での色々な場面で気遣わなければならない工程が含まれているのです。

そのことを知らずに交換しているといずれ… なんとなく想像できるでしょうか。。?

 

スズキ 船外機販売

ギアオイル交換。

まずはギアオイル交換からの記述ですが、あくまでも今回の一連作業はプロ目線での作業工程の紹介で

はなく初心者の方向けに知っておいた方がよいと思う工程で紹介させて頂きます。

ギアオイル交換ではロワーユニット(一般的にはギアケース)の下部にドレンスクリュー

あるのでまず最初に取り外し後に上部のベントやレベルとなる上部のスクリューを取り外します。

最初に上部スクリューを外してしまうと下部ドレンスクリューを取り外す際一気にオイルが流出してし

まい手がベトベトに汚れてしまうので下部のドレンスクリューから外します。

またオイル注入後のドレンボルトの締め過ぎやねじ山の破損だけは注意が必要です。

ここを壊してしまうともともこもない話になります。。

そして一度取外しをしたドレンボルトに付随するガスケットはきれいな状態であっても

必ず新品に交換しましょう。高価な物では金属ワッシャーにシーリング加工を施した700円以上

する物もありますが、国産船外機メーカードレンガスケット一個100円程度で購入できます。

排出したオイルの状態。

いきなり最重要で確認しなければならない箇所となるのですが、重要なのは入水の有無となります。

今回はギアオイル編ですが、エンジンオイル交換時にも言えることで、エンジンを始動した状態の

ギアイン直後でなければ必ず先に油分と分離した水分が排出されます。

この入水を確認するためにはエンジンを始動した直後に交換してしまうと入水を見落としてしまう可能

性があるので一時おいてから交換すると入水の有無も確認でき、オイル温度上昇により粘度も下がり

オイル自体が柔らかくなるので排出時間も短縮されます。

ギアオイルが冷えた状態では排出に時間は掛かりますが、入水の有無は明確に確認できます。

Q.もし入水を確認したら?。

A.もうギアオイルを交換する必要はありません…(泣)

なぜならロワーケースを外してギアケース内外部から圧入されているシール類等からの

圧漏れの検査をしなければいけないからです…

専用の工具も必要となるのでこの項は端折りますが。。

とりあえずでオイルを入れて乗ってもいずれは..、最悪は、当日中にロワーのO/Hもしくはロワー

ユニットを丸ごと交換しなければならない事態となり得ますので無駄に支払いをしたい人以外は

そのまま乗ることは止めておきましょう。

ロワユニットの値段

ちなみにマーキュリー各1.5~4.6リットルクラス船外機のロワー新品価格は国内定価ベースで

3リッタークラス:L/ギアケース コンプリート「トルクマスタ1.75-ProXS ¥836,590

2.5リッタークラス:ロワーケース コンプ「V6-L(1.87:1) ¥529,400

1.5リッタークラス:ギアハウジングCOMP「L 2.07:1」¥318,200

4.6リッターV8クラスに付属するようなロワーに至ると現在Call For Price ♥となっています

では国内メーカーでは安いの?と思われるかも知れませんがそうは問屋が卸してくれません。。

最近の高級魚探が買えてしまう位の価格はするので保険と思ってマメに交換することが賢明だと

思います。

お得?安価なアフターマーケットのロワユニット

トラブル時でもラッキーな方は良品オリジナルの中古が格安に入手できる場合がありますが、

モデルによってはかなり希少となりその他に海外アフターマーケットでのギアケースもあるには

あるのですが、経験上あまり良い思いはしたことはありません。

必ずとは言い切りませんが、とりあえずは 安く済ませて乗ることは出来るというだけの

気休め程度でいつなんどき壊れた時の心の準備だけはしておいた方が良いと思っておいてください。

二つ買えばほぼ同額に近い価格になってしまいます。(汗)

また、どのみちボートを手放す際の査定にも間違いなく影響します。。。

入水をクリアーすると。

排出したオイルの状態を確かめます。頻繁に交換される方はとてもきれいな状態

オイルが排出されますが、入水してしまっていることを思うとそれがベストなので勿体ないでは無く

むしろ安心して下さい。

オイルの劣化が酷い場合

何時交換したか分からない様な期間乗りっぱなしで放置された場合はだいたい鉄粉まみれのクリーミー

でグラディエーション掛かったギアオイルが排出されます。

酷い場合は一度内部を洗浄し念のため先程の圧漏れ確認の為のリークテストを行わなければいけない

様な場合もありますのでそんな時はそのまま新しいオイルを入れての使用はお勧めできません。

いままで壊れなかっただけ幸運です。

ギアオイルの給油

一般的に各メーカー指定のギアオイルの粘度は馬力に関係なく90番が指定されておりますが、

写真の下部のドレンと同箇所の給油口から注油します。

上から入れたことがないので想像しかできませんが、下部のドレンを締めて上から注油

しようとしても空気が抜けないのでオイルが入らない筈です。。

注油時はロアーのキャブテーションプレートで水平を確認することにより

規定のオイル量を入れることができます。

トリムやチルトアップの状態では十分な規定のオイル量を入れることができないので注意です。

不足はもちろんですがむしろ入れすぎにも注意が必要です。

ギアオイル規定量

規定量のオイル量とはロワーがフラットな状態で下部ドレンから注入したオイルが上部のオイルレベル

となるベントプラグへ排出されるまでの量を指しますが、

注入し上部からでればOKというような単純な施工は当店で行わないのが心情ですが、

それでも以後100%大丈夫かと言われると乗り手となる方の加減等他の問題もあるので気を付けて航行

して頂く他ありません。

※その他注意事項

ギアオイル交換時になるべく一緒に見ておきたい場所としては、プロペラを取外してプロペラーシ

ャフト等に纏わり付いたラインなどの異物の確認はしておいた方が良いです。

ウィードはまだしもフィッシングラインは最悪で特にPEは最低です。。

これを放置してしまうとプロペラシャフトのシールが破損し入水の原因と必ずなります。

マーキュリーなどはプロップを外さなければドレンプラグが外せない仕組みのギアケース

もあり自ずと点検を促されますが、簡単に確認できる場所なのでギアオイル交換の際だけでは

なくこちらもマメなチェックをオススメします。

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